第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
❦ 潤Side ❦
なんなんだ
なんなんだよ
帰るコールなんて滅多にしてこないのに
しかも、
『好きだよ』
なんて
『潤も言ってよ』
なんて
『会いたい。』
なんてさ
調子狂うっての…
『そういや、俺明日仕事休みなんだ』
「知ってる」
『え? なんで?』
「今日小山くんがジムに来て言ってた」
『アイツ、ジム行ったんだ?
スパルタしてやった?』
「まぁ程々に」
電話する事で眠気覚ましにもなるならと
翔の他愛も無い話に付き合ってやる
時計を見れば既に24時半を回っていて、
「あとどんくらい?」
『んー、40分ってとこかな』
「え? 会社からじゃねーの?」
『それは帰ってから話す』
会社帰りに何処かに寄ってたんだ…
やっぱり女のとこ…?
それを聞ければ苦労はしない
下手に聞き出して核心に触れるのが、怖かった
『じゅーん? おーい? 寝た?』
「…寝てない、」
『何怒ってんの?』
「別に怒ってない、」
『いや、その声は怒ってる』
「そう思うなら早く帰って来いよ…!」
思わず口を突いて出た言葉に、しまった、と思った
電話の向こうの翔はフフッと笑って
“わかったよ”なんて優しい声で言うから
なんだか拍子抜けする