第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
“まだ起きてるか?”
メッセージを入れるとすぐに付いた既読の文字。
返信を待たずに電話をかける
『もしもしっ…!』
スピーカーから聞こえてくる、一番聞きたかった声に
思わず笑みが溢れた
「もしもし、潤?
もしかして起こしちゃった?」
『…いや、まだ寝てないよ』
「そっか。今、帰ってるからさ」
『…分かった。
気を付けて帰って…』
「潤」
『…ん?』
「…潤、」
『…なんだよ、』
赤信号で止まると、スマホに唇を寄せた
「好きだよ」
『…っ! なっ…何だよ、急に…!』
「別に? 言いたかっただけ。」
信号が青に変わり、アクセルを踏む
『酔ってんのか…?』
「酔ってねーわ。今、運転中。
なぁ、潤も言ってよ」
『何を…?』
「俺の事、好き…?」
『…』
「なぁ、って」
『…好きだよ、』
「会いたい?」
『会いたいよ…!』
「俺も会いたい。
潤に会いたい。
すぐ帰るから…寝ないで待ってて。」
電話を繋いだまま、俺は家へと急いだ