第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
「イテテテテ…」
スタッフルームに引っ込んだ途端、山口さんが膝から崩れ落ちた
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫!」
いや、全然大丈夫そうじゃないけど…?
「俺のことより、松本くんだよ」
「俺?」
「お肌の艶がどうとかはわかんないけどさ
ここんとこ覇気が無いっつーか、なんつーか。
…何かあった?」
何かがあった訳じゃない
寧ろ、何も無さ過ぎて…
「櫻井さん、」
「へ…?」
突然出てきた翔の名前に過剰反応し過ぎたか
山口さんがそんな俺を見て苦笑してる
「最近ジムにも顔出さないし
また喧嘩でもしたのかな、ってさ」
「そんなんじゃ…」
「早く仲直りしろよ?
次はアレやるからさ」
左肩を擦りながら山口さんが顎でクイッと指した先には
段ボールに山積みにされたキャベツ。
どっからこんなに…
「知り合いが家庭菜園やってんだけどさ
ハマり過ぎてほぼ農家なんだよね
どっかのアイドルみたいな感じ?」
あぁ…そういうことね、納得。