第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
ベッドの端っこにある、こんもりとした山は
潤が一人で丸まって眠っている証拠で
「そんなに縮こまって寝ることないだろ?」
その山をそっと撫でながら
小さく呟いた
「ごめんな、最近ちっとも構ってやれなくて」
お首にも出さないけど、潤が人一倍寂しがり屋なのは知ってる
あと少しだけ…待ってて
必ずあの人の首を縦に振らせてみせるから
「…約束、守るから」
ベッドの横に座り、スーツのジャケットを脱いでネクタイを解いた
「絶対守るからな」
潤の柔らかな髪をクルクルと指に巻きつけて弄ぶ
…起きてる時にやったら凄ぇ怒るんだろうな
「んっ…」
身じろいだ潤が、顔の鼻から上だけを布団から覗かせる
いつ見ても綺麗な顔してんな
眉間にシワは寄せてるけど。
「ただいま」
前髪を掬い上げて
その額にチュッ、とキスをした
あ。 今、微笑った?
ピリついていた筈の心が溶けるように癒やされて行く
不思議だな
お前の笑顔が、こんなにも胸の奥を温めてくれる
頑張るから、俺
絶対に… 頑張ってみせるから。