第8章 ❦ SPECIAL THANKS ❦
休みだってちっとも合わない
この三ヶ月間で、確か…二回ほどだ。
一度目の休みは大学の同級生とフットサルとか言っちゃって、俺が目を覚ました時には既に翔は出掛けてしまってた
二度目の休みは…なんかピリピリしてて話しかけづらくて
楽しかった記憶は、無い。
…俺は強欲なのかな
また翔の隣りに居られる、しかも恋人として
それだけで奇跡なのに
もっと一緒に居たくて
もっと言葉を交わしたくて
もっと…触れ合いたい
そんなふうに思ってしまうんだ ――――
『…今日からお世話になります、』
『ふはっ。何だよその余所余所しい挨拶は(笑)』
『や、なんかさ…』
『ここは俺の家だけど、今日から潤の家でもあるんだぞ?』
『でも、こんな凄いトコ…ホントにいいのかな、って』
『潤は嬉しくねーの?』
『え…?』
『俺は嬉しいよ?
潤と一緒に住める事が、めちゃめちゃ嬉しい』
あの日の翔の言葉は
ツクリモノなんかじゃなかった
分かってる
分かってるのに
もしかしたらこれは夢なんじゃないか
夢から醒めたら消えて無くなってしまうんじゃないか
いつしか
そんな呪縛から抜け出せ無くなっている自分がいた