第7章 Eternal Burgundy
「はぁっ?
何、お前俺に抱かれたいわけ?」
「お前の言ってる事が嘘だって証明したいだけだ」
「ハッ。身体張ってまでそんなことする意味あんのかよ?」
「本当の事が知りたいんだよ!」
『松本 潤さん、ですね?』
『そうですけど…』
翔と親しくなって半年が過ぎた頃
ある日突然、翔の父親の秘書と名乗る人物から電話があった
『社長が貴方に是非ともお会いしたいと。
…翔さんの事で大切なお話があるそうです』
俺は翔には何も告げずに
父親である櫻井さんと会った
『…話って何ですか』
『翔が最近ロクでも無い人間と付き合っているらしくてね、悪い影響を受けているようなんだよ
無断外泊はするし、成績は落ちているし
オマケに耳に穴まで開けているそうじゃないか』
『…』
『翔は頑なに私との接触を避けていてね、話し合いすらままならない。
…率直に言おう。
君から翔の手を離してやってくれないか?
君と翔とでは…身分不相応だ。解るね?』
テーブルの上にバラ撒かれたのは
俺の身辺調査書とそれに付随する写真
…別に隠さなきゃいけない過去なんてなかった
ただ
それを翔と離れる事への取り引きの材料に使われた事が
無性に俺を苛立たせた
『翔ともう二度と会わないと、約束してくれるね?』
…その時
俺の中で何かがプツリと切れる音がした