第7章 Eternal Burgundy
「先輩、顔が怖いです」
「え?」
就業時間の30分前
俺は怒涛の勢いでキーボードを叩いていた
「昨日といい、今日といい
5時キッカリに仕事終わらせてその後何処行ってるんですか?
…あ。もしかして、」
「なんだよ…」
隣りのデスクから小山がぬうっと顔を覗き込む
「彼女でも出来ました?」
「ちっ…違ぇよ!」
「その慌てっぷり!
怪しいなぁ〜」
ジト目を向けるから
くだらない事言ってないで仕事しろと一括する
「花金ですもんねぇ〜
デートかぁ〜 いいなぁ〜」
「デートじゃねぇよっ…
つーか花金ってお前いくつだよ!」
小山はまだあーのこーの言ってる
悪かったな
デートどころか、約束だってしてないよ
一方的に押しかけて…会いに行ってるだけだ
「先輩ってもっと恋愛にクールなのかなって思ってたけど
意外と盲目になるタイプなんですね?」
「何言って…」
「だって、1秒でも早く終わらせて君の元へ行ってやるぜ!って雰囲気がガンガン伝わってくる」
…俺が?
潤に?
1秒でも早く会いたい、って…?
「頑張ってくださいね?」
「だから、何をだよ…」
「何って、“ナニ”を?」
「馬鹿!」
チャラいんだよ、アホ小山…
つーか
俺、そんな風に見えてんだ…