第7章 Eternal Burgundy
❦ 潤Side ❦
「ほい、お疲れ」
「あっ。ありがとうございます、山口さん」
帰り支度をしていた時、突然目の前に差し出された缶コーヒー
「で?和解は出来たのか? 櫻井さんと、」
「和解って、なんすかそれ…」
「なんだよ〜、折角話すチャンス作ってやったのに
まだ意地張り合ってんの?」
傍から見たら、喧嘩したまま疎遠になった友人同士に見えてるんだろう
「そもそも喧嘩なんかしてないですし、」
缶コーヒーを飲み干して立ち上がり
バッグを肩にかけた
「じゃあ、お先に…」
「このままでいいのか?」
背中越し
投げかけられた言葉に、ドアへと一歩踏み出した足がピタリと止まる
「櫻井さんが来る度ギクシャクするんじゃさ
見てるこっちまでハラハラするっての。
一度ちゃんと話し合ってみろよ?
その方がスッキリするぞ?」
肩をポンと叩かれて
山口さんがその場で立ち止まる俺の横を通り過ぎた
「あ、そうだ
ロッカールームにコレ忘れてったみたいだからさ、名簿見て連絡してやって?
それしたら上がっていいよ
じゃ、お疲れ!」
「…お疲れ様でした、」
俺は
投げ渡された翔のスポーツタオルを
暫く見つめていた