第7章 Eternal Burgundy
「じゃ。また明日、会社でな」
「はい…ってやっぱ僕も帰りますよ」
「いいって。俺に合わせる必要ないから、好きなだけやって」
「…はい」
「じゃあな」
山口さんに言った通り、俺は小山に帰る旨を伝えるとジムを後にした
そこから自宅までは、まぁまぁ距離があって…
家に着いた時にはもう23時を回っていた
「はぁ…つっかれた…」
靴も脱がず、玄関にしゃがみこむ
もう…部屋に入る元気すらない
久しぶりの運動と、潤との再会と…
今日は色々疲れた
「だぁ…はぁ……今日はここで寝ちゃおっかな…」
なんて、寝そべりながら言ってみたけど…そんなわけにいかないか
玄関でなんか寝たら明日ぜってー風邪引くし
…てか、フローリングが固くて寝れねぇか
よいしょ、と重たい身体を起こし
寝室へ向かうと服を部屋着に変えて
リビングに戻ったらコンビニで買ったパンを軽く食べた
『サンドイッチ好きだよなぁ、翔』
「……」
『俺にもちょうだいっ』
『あっ、おい!』
「……」
『ふふふふ』
『…いいよ。その代わり今度A定食奢ってもらうから』
『は!?』
「ふ……」
ずっと…あの頃はずっと…
楽しかったのにな
『飽きた』
潤の一言で全部…変わってしまった
「言えば良かったのに…全部言えば…」
俺の意思じゃない、父さんに脅されてるって言ってくれれば…俺もなんか考えたよ
なんで俺を庇って…自分を犠牲にして…
『やだっ…潤…っ』
『黙れよ』
あんなことまでして…
「ばかだな………俺」
気付いてやれなかった、潤の苦しみに
傍にいたくせにな…いたくせに…
ごめん
大学も、夢も…ごめん
ごめん…
潤
出逢わなければ良かったかな…俺達