第7章 Eternal Burgundy
「今日は初回ですので、この辺で終わりましょうか」
22時を過ぎた頃、山口さんが俺の肩を優しく叩きながらそう言った
俺はそれに「はい」と頷いて
休憩していたベンチから立ち上がる
「今日はありがとうございました」
「いやいやそんな…頭なんて下げないでください。あ、奥にシャワールームが設置してありますので。良かったら汗、流してってくださいね」
「ありがとうございます。使わせてもらいます。もう汗だくで…」
そう言いながらトレーニングウェアを触ると
それはもうしっとりどころかびちゃびちゃで
首にかかったタオルも、濡れてるわ汗臭いわで…気持ち悪さMAXだった
「帰りは小山くんと?」
「えぇまぁ。でも小山はまだ…」
視線を巡らせると、エアロバイクに跨がっている小山が目に入った
隣には潤がいて
なんか、すごい楽しそうに話してる
……何話してんだろ
そんな笑える話なのか
楽しい話なのか
俺と話してる時はそんな笑顔…向けてくれなかったのに…
って、当然だよな
笑えるような話を…俺達はしてたわけじゃないし
「…まだやってきそうなんで…シャワー浴びたら小山に一声掛けて帰ります」
「そうですか」
微笑みながらもう1度、山口さんに頭を下げると、俺は奥のシャワールームへと向かった