第7章 Eternal Burgundy
あの時…翔は調べたりしてたのかな
ピアスを贈る意味を
そんな事…わざわざするわけ無いか
アクセサリーの贈り物には意味がある
ネックレスは
“あなたを束縛したい”
指輪は
“あなたとの将来を考えています”
ピアスは…
“離れていても一番近くに感じていて欲しい”
「俺のせい…だよな…?」
翔の言葉に思わず目を見張った
「何言って…」
「あの時俺は何も知らなかった
でも後から…知ったんだ
父さんが潤の事調べて、二人が会ってた事…
父さんに言われたんだろ?もう俺と関わるなって…
だから大学も辞めたんだろ?
それで必然的に夢も諦めなきゃならなかったんだろ…?
なぁ、そうなんだろ…?!」
「…そんなんじゃねーよ…」
翔のせいだなんて
思った事は一度たりとも無かった
…仮に
仮にそうだとしたって、
「なんでそこなんだよ…」
「え…?」
「俺が大学辞めた理由なんてどうだっていいんだよ…
夢を諦めた理由も…そんなのどうだっていいんだ…!
全部覚えてんだろ…?
本当に知りたいのはそこじゃねーよな…?!
なんで俺を責めないんだよ…
なんで…!自分が悪者みたくなってんだよ…!」
あの日の夜の記憶が
翔の泣き顔が
鮮明に蘇る
「殺したい程…俺が憎いくせに…!」