第7章 Eternal Burgundy
❦ 潤Side ❦
「ハァ…… も、無理っ…!」
力尽きた小山くんが
ランニングマシンのベルトに運ばれて
そのまま床にゴロンと転がった
「惜しいっ! あと2分だったのになぁ」
「ハァ…ハァ… 鬼…」
「うん? 何か言いましたか?」
「なんも言ってませんっ…!」
ヨロヨロと立ち上がる小山くんに
『5分休憩しましょうか』
と、笑顔を向けてミネラルウォーターを手渡した
「はーい、オッケー!
櫻井さんも少し休憩しましょう」
「はい」
こちらのベンチに向かって歩いてくる翔の額には大量の汗
汗だくなのに爽やかってなんだよ
「っはぁー…」
「疲れましたか?櫻井さん」
「いえ、大丈夫です」
翔が山口さんに笑顔を向ける
…無自覚なんだろうけどさ
相変わらずのそのキラキラスマイルは
お前の武器なんだって気付いてんのかね
「ちょっと、トイレに…」
席を立とうとした小山くんが
膝からガクッとその場に崩れ落ちそうになった
「うおっ…!っと…セーフ」
俺は咄嗟に小山くんを抱き抱えた
膝が笑っちゃってるのか、産まれたての子鹿の様だ
…と。
チラッと横を見れば
翔が怪訝そうな顔をして
こちらをジロリと睨み付けていた