第7章 Eternal Burgundy
『あ、あの時の』
『え…』
潤と2度目に会ったのは
あれから数日後の…深夜のコンビニだった
『……どちら様ですか?』
黒いスーツに、派手な紫色のワイシャツ
ボタンは胸元まで外してて…
髪はオールバック
そんなチャラチャラした知り合い、俺にはいなかったから
『こんな近世稀に見るイケメンを忘れんなよなー』
って言われても全然分からなくて
『…人違いじゃないですか…?』
俺はそう言うしかなかった
『人違いじゃないって、絶対あんただよ』
『…ホストの知り合いなんて…いないんで…』
なんか怖くて…とりあえずその場から離れたくて
適当に夜食を掴み、レジで会計して外に出た
もう着いてこないだろうと思ったけど、潤はずっと俺の後ろをついてきて
『あー夜食買いにきたんだ。勉強?こんな時間までやってんの?見た目通りだな』
ってもう…喋るわ喋るわうるさくて
そろそろ警察でも呼ぼうかなって思った時
『…と。やべ戻んなきゃ』
後ろにあった気配がなくなっていくのが分かった
振り返ってみると、そのタイミングで潤も振り返り
『勉強っ。あんましすぎんなよ!また遅刻すんぞーっ』
って叫んで…
消えてく背中を見ながらやっと気付いたんだっけな
そのホストがあの時の遅刻した奴なんだって
「……」
「…ん、櫻井さん!」
「おわっ!」
「どうしたんですか、急に止まって」
「あ…すみません」
また過去の記憶に飛んでたみたいだ
いけないいけない
ここへはトレーニングしにきてんだから…ちゃんとやんないと
「もう1度お願いします」
俺はレバーを握って、またトレーニングに集中した