第7章 Eternal Burgundy
出逢いはそう…
大学4年の時
『…うわっやっべ!』
俺はその日、人生で初めて"寝坊"というものをした
『翔っ、ご飯は!?』
『いらない!』
朝食も取らず、慌てて家を飛び出した俺は
1限に間に合うよう出来るだけ最短の道を使って
全速力で大学に向かった
『はぁ…はぁくそっ』
向かう途中で1限開始の時刻は過ぎてしまったけど
それでも講義にはしっかり出なきゃと走り続けて
…そしてやっと
もうすぐ正門が右側に見えてくるという時
正面からゆっくり歩いてくる奴に目が止まったんだ
『は…っ、なんだあいつ…』
それが、潤だった
『遅刻だよ…!』
どこの学部の人なのか分からなかったけど、この時間帯に大学へ来たってことは1限に出る為なんだろうと思い、俺は正門に入っていく潤の背中をパンッと叩いて通り過ぎようとした
そしたら
『知ってる』
と、潤はへらへら笑って
『は!?』
『ほら、急がなきゃ』
って、他人事みたいに時計を指差したんだ
『…っ君も急げよ!』
なんだこいつって思った
これが、俺達の出逢いだった