第6章 ブラコンですが、何か?
❦翔Side❦
「第一印象は最悪だったわよねぇ〜?」
「そーだっけ?」
「やだ、覚えてないの?
アタシは忘れもしないわよ? 翔に顔面掴まれたこと!」
「俺、そんな酷いことした?」
「したわよ〜
健ちゃん誘惑しただけなのにぃ」
覚えてるよ
あん時どれだけ腸煮えくり返ったと思ってんだ
「俺に触るな! とか
殺すよ? とかさぁ
翔ってばホントに酷かったんだから!」
「悪かったよ。
それよりさ、そんな昔のことはもう忘れて今を楽しまない?
ほら飲もうよ」
女にグラスを傾ける
ただ…俺が飲みたいだけ
「いいわよ? 何に乾杯する?」
雅紀の高校合格は、母さんからのメールで知った
「そうだな… 君との再会に?」
祝うくらいしてもいいだろ?
「ふふっ。嬉しい事言うのね」
雅紀、おめでとう。
「じゃ、改めて
私達の再会に、乾杯〜♡」
お前の高校合格を祝して
「乾杯」
グラスを煽ると
あれ…? コレって…
「それ、ウオッカよ」
女がくつくつと笑う
「俺を酔わせてどーする気?」
「うーん… リベンジ?」
ふぅん… リベンジねぇ。
完全にロックオンされたって訳だ?
「ねぇ、翔…」
「ん…?」
「前にも言ったでしょ?
アタシ、あんたがタイプなのよ」
女の瞳が本気の色を映し出している
抱くくらい、別に構わない