第6章 ブラコンですが、何か?
その人は、僕の事をじっと見つめた
「アイツは君を守る為なら手段を選ばないとこあるけど
暴走した翔を止められるのも君しか居ないんじゃないかな、雅紀君」
スーツ姿の人の… 岡田さんの、言葉が
頭の中をぐるぐる回って
家に帰ってからもそれは続いた
僕が側を離れれば、しょーくんはもうあの時の様に豹変する事も無い
そう思って離れたのに
“暴走した翔を止められるのも君しか居ないんじゃないかな”
その言葉が僕の胸を掻き乱した
僕は… あの時出した答えを間違えていたのかもしれない
― LINE♪ ―
ラインの通知音がして
見ると、それは増田さんからで
『今すぐここに来て!
櫻葉センパイを止められるのは雅紀くんしかいないんだよ!』
え? 何?何なの?
意味のわからないラインのメッセージ
その直後に、場所の地図を示すURLが送られてきた
ここに…しょーくんがいるの?
ここで…何が起こってるの?
「雅紀?! ちょっと、どこ行くのよ?!」
「母さん、ごめん! しょーくん迎えに行ってくる!」
僕は、夢中で家を飛び出した
何がなんだかわからないけど
とにかくしょーくんに何かあったんだ…!
しょーくんを止められるのは
僕しかいないんだ…!