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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第6章 ブラコンですが、何か?


この日の夜、僕達は別々のベッドで眠った
昨日までは後からお風呂に入った方が先に入った方の部屋を訪ねて
朝まで一緒に過ごすのが暗黙の了解だったのに
今日の僕は…しょーくんの部屋を訪ねることが出来なかった

お互いの気持ちを伝え合ったあの日から、初めて迎えた独りぼっちの夜
壁の向こう側に居るしょーくんに向けて“おやすみ”と呟いて
半ば強制的に目を閉じた

どうか、何も思い出しませんように
夢なんて、見ませんように…








金髪のリーゼントに、白い特攻服
だらんとぶら下がった右手からは血が滴り落ちている


『雅紀…』


『しょーくん… また喧嘩したの…?』


『アイツが悪いんだよ… 雅紀に色目使ったりするから…
雅紀は俺だけのモンだろ…?
なぁ、雅紀…』


そこだけくり抜かれたみたいな、真っ黒な目
抑揚のない、淡々とした喋り方

こんなのしょーくんじゃない
僕の知っているしょーくんじゃない…!


『来いよ…』


『え…?』


『お前が
悪いんだぞ…?』


『なっ…何?
僕、何か悪い事し…』


『フェロモン出してるから悪いんだろ…?』


『しょーくん、何言って…』


しょーくんが後ろ手に隠し持っていたのは
真っ赤な首輪と、それに繋がるチェーンのリード
表情一つ変えずに、しょーくんはそれを僕の首に巻き付けた


『こうするしかないだろ…?』


『やだっ…! しょーくん、止めて…!』


『反抗するのか…?
俺から逃げるのか…?
そんなの許さない… 逃さないよ…』


『…っく…! しょーくん…苦し…』





『もし逃げたら…



殺 す よ ?』






しょーくんの僕への愛は
いとも簡単に狂気へと変貌を遂げた
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