第6章 ブラコンですが、何か?
総合体育館へはチャリは使わせず、電車で向かった
祝日だけあって、多少混んでたけどそんなの気にしない
金髪の俺を見て同じ部活の奴等はビビってたけど
男にもモテる雅紀のことだ。どこに敵が居るかなんてわかんねぇ
ちっとは牽制になったかな?なんて
苦笑いの雅紀の隣りで一人、勝ち誇った顔をした
「で、雅紀くんの練習試合が終わるまでうちに居ると?」
「んだよ、悪ぃか?」
「悪くないっス! 全然悪くないっス!
あ、カップラーメン食いま…」
「コーヒーで。」
練習試合が終わるのは18時
それまで増田の家で暇潰しさせてもらう事にした
「それにしても櫻葉センパイはやっぱさすがっスね!
雅紀くんの護衛するとか男の中の男っス!
カッコイイっス!」
カップラーメンの代わりに出されたコーヒーを啜りながら
俺を褒め殺す増田の方を見ると
…ズッゲェー笑顔。
コイツ、いつも笑ってんな
でも…なんだろ、時折その笑顔の奥に哀しみを感じる時があって
「そー言えば雅紀くん、俺の事何か言ってませんでした?」
「何かって?」
「怖がってませんでした…?」
「怖がる? 雅紀が増田を? なんで?」
「いや… 腕、見られちゃったよなと思って、」
増田は
服の上から自分の腕をキュッと握った
あ…
また、哀しそうな瞳…