第6章 ブラコンですが、何か?
次の日から犯人探しが始まった
ヤンキーの溜まり場を虱潰しに当たり
週明けからは校門の近くで張り込みもした
だけど奴等を見付けることは出来なくて
俺は正直、焦っていた
髪型じゃ犯人を特定できない
増田をこれ以上巻き込むのも気が引ける
犯人を見つけ出す手立て
それは、増田が付けた手首の痣だけ…
それが消えて無くなってしまう前に、なんとか見付け出したかった
「…明日?」
「うん、」
明日、この間と同じ総合体育館で
またバスケの練習試合があると聞いた
「分かった。その代わり送り迎えするからな?」
「えっ?! 送り迎えなんていいって…!」
「いいわけないだろ? またこないだみたいな事があったらどーすんだ!」
声を荒げた俺に、雅紀は何も言えなくなってたけど
これだけは譲れない
「わ、わかったよ…
迷惑掛けてごめんね、しょーくん、」
「迷惑なんかじゃねぇって」
そっと抱きしめると、雅紀はその手を俺の背中に回してくれた
「しょーくん…」
「んー?」
「ありがと…」
「ばーか
男なら、大切な人を守るのは当然のことだろ?
雅紀だって子供の頃
俺の事守ろうとしてくれてたじゃんか」
もうお前に怖い思いなんてさせない
今度こそ、守るから
俺がお前を…守るからさ