第6章 ブラコンですが、何か?
❦翔Side❦
雅紀がバスケの練習試合に行ったきり、帰ってこない
携帯は置きっぱだし
どっかで雨宿りでもしてんのか…?
それとも何かあったんじゃ…!
居ても立ってもいられなくて
俺は幼馴染の俊介に電話をした
「もしもし、俊介?!
俺の雅紀が帰って来ねぇーんだよぉぉおー!
練習試合ってどこでやってんのか知ってるか?!」
『いや、知らないけど…
バスケ部の奴に聞いてみようか?』
「頼む!一大事なんだよぉぉおおお!」
『もしもし、翔くん?
区の総合体育館らしいよ?』
「総合体育館だな?!
それってどの辺りだ?!」
『○○駅の近くだよ』
「○○駅って増田んちの辺じゃんか!」
『増田?』
「あー、なんでもない!
サンキューな!俊介!」
俊介から得た情報で
雅紀が居たらしい体育館の場所が判明した
駅に行ってみるか
この際、増田も巻き添えにして
俺の可愛い雅紀を何が何でも探し出してやる!
― プルルルルル プルルルルル ―
「増田か?! 俺だ!」
『もしもーし! 櫻葉センパイ? お疲れっス!』
「お前今どこだ?!」
『何処って、家ですけど?』
「俺の可愛い雅紀が行方不明なんだよぉぉおおお!」
『ええっ?! 弟さん、行方不明なんスか?!』
「俺はどーすればいいんだぁぁあ!」
『あっ、ちょっと待ってください、』
(なんか、先輩の弟さんが行方不明らしくてさ
え? 名前?
マサキ君って…あっ、オイッ!)
『もしもし、しょーくん?!』
俺の耳に突然飛び込んできたのは
まさかの雅紀の声で
…これは一体どういうことだ?