第6章 ブラコンですが、何か?
「…痛ってぇ!」
「わっ! ごめんなさ…」
顔を上げると
傘をさした、制服姿の怖そうな高校生三人組が目の前に居て
「お前、何してくれちゃってんの?」
「あーあ。制服汚れちゃってんですけど?」
「あっ、あの…ごめ…」
「謝って済むならケーサツ要らねぇんだよ」
どうしよう
どうしよう
「ホントにすみませんっ…!
怪我とかしてませんか?!
制服はクリーニングに…」
「金」
「え…?」
「慰謝料とクリーニング代」
「…お金は持ってない、です…」
最悪だ
こんなのカツアゲじゃんか…!
どうしよう…しょーくん、助けて…!
「ふーん…
じゃ、金に代わるモンで払ってもらうぜ?」
お金に代わるもの、って…?
「お前、可愛い顔してんじゃん」
え…?
「来いよ」
「やだっ…! ちょっと!離してください…!」
後の二人に無理矢理腕を掴まれて
自転車がバタンと倒れた
「つべこべ行ってねーで付いて来いや」
「止めてっ…! 誰かっ…!」
怖い
僕をどこに連れて行こうとしてるの
何をするつもりなの
殴る?
蹴る?
ううん、違う
違う気がする
必死に抵抗する僕を
3人がかりで抑え付けた
「大人しくしてりゃ、すぐに済むからさ」
嘘…でしょ…?
一気に血の気が引いて行く