第6章 ブラコンですが、何か?
「雅紀に大事な事、言ってなかった」
「…」
やっぱり…
嫌な予感は当たってしまったのかな
しょーくんにとって僕はただの弟で
それ以上でもそれ以下でもなくて、
「あのさ…」
嫌だ
聞きたくないよ
こんな事なら自分の気持ちなんて曝け出さなければよかった
「…俺と、付き合って欲しい」
え…?
今、なんて…?
「雅紀と…恋人同士になりたいんだ」
コイビト…
僕と、しょーくんが…? 恋人同士に…?
「俺達は家族で、兄弟だけどさ
ちゃんと…形にしたいんだよ
なってくれるか? 俺の恋人に」
「なるっ…! なりたい…!」
大事な話って、コレだったんだ
想像してたのとは真逆の事で
ほっとして、嬉しくて…
「じゃあ今日から俺と雅紀は恋人同士だ
幸せにするから… 約束する」
しょーくんが僕の肩に手を伸ばして
優しくそっと引き寄せた
「充分幸せだよっ…!
幸せ過ぎて…」
「バカ、泣くなよ」
「だってぇ…」
安堵の涙なのか、嬉し涙なのか
きっと両方なんだろう
ポロポロと零れ落ちる涙を
しょーくんが優しく拭ってくれた
やっぱりしょーくんは凄い
しょーくんの一言で
僕はこんなにも安心して
こんなにも幸せな気持ちになるんだ