第6章 ブラコンですが、何か?
「恋煩いかな?」
昼休み、風ぽんがニヤニヤしながら僕の顔を覗き込んだ
「えっ?! そ、そんなんじゃないしっ!」
「朝練も全く身が入ってなかったらしーじゃん?」
よくご存知で…
ってか、その情報どっから得てんだよ!
「なんかあったんじゃねーの?」
「なんもないよっ…!」
「翔くん」
「…?!
しょ、しょーくんがなんだよっ…」
「べーつに?
ま、健闘を祈ってやろうじゃないの」
風ぽんは僕の肩をポンポンと叩くと
スマホをいじりだした
ー line♪ ー
「俺からのエール。
頑張れよ〜」
そう言って風ぽんは自分のクラスに戻って行った
送られてきたラインには、ミュージックアプリのURLが載せてあって
風ぽんからのエール、って言ってたな…
それをタップすると
明るいメロディーが聞こえてきた
その曲の歌詞にドキッとしたんだ
♪言い出せなくても構わないなんて
恋するチカラに敵わないんじゃない
その眼を心に向ければ
そう それがふたりの近道だから
素直な自分を曝け出し
愛する事を諦めない
始まっていく その夢に
少しずつ チカヅキタイ…♪