第6章 ブラコンですが、何か?
『雅紀。まーさき?』
“しょーくん!
出かけたんじゃなかったの…?”
『すぐ帰るって言ったろ?』
しょーくんは黒髪だし、制服を着てる
…そっか、これはきっと夢だ
夢なら… いいよね…?
『なんだよ〜? そんなにジロジロ見られたら穴が開くって(笑)』
“しょーくん、僕、僕ね、”
『うん? なんだぁ?』
“しょーくんの事が好きだよ”
しょーくんがキラキラの笑顔で微笑む
“本気だよ…!”
『わかってるよ』
“え…?”
『俺もおんなじだから』
“おんなじ…?”
『俺も、雅紀が好きだから』
“ホントに…?”
『信じられない、って顔してる』
しょーくんの手が僕の頬を包んでじっと見つめるから
綺麗なアーモンドアイから目が離せない
『目、瞑って…?』
“しょー…くん…”
『ほら、』
言われるがままにキュッと目を瞑る
ドキドキしてる
しょーくんがこれから僕に何をしようとしてるかがわかるから
『好きだ』
耳元で甘い声で囁かれて
そして
しょーくんの柔らかな唇が僕の唇を塞いだ