第6章 ブラコンですが、何か?
❦雅紀side❦
しょーくんがこんな時間に出掛けていった
所謂『集会』ってやつなのかな
女の人とかも…居たりするのかな…
「はぁぁ…」
静かな浴室の中に溜息だけが響く
しょーくんのことを好きだと自覚してから
確実に溜息をつく回数が増えていた
「ダメだ、こんなんじゃ」
頭から冷水を被り
色々を払拭してから風呂を出た
二階に上がると自然と自分の部屋の前を通り過ぎ、しょーくんの部屋の前に立っていて
「おじゃましまーす…」
主の居ないその部屋にそっと足を踏み入れると
いつもしょーくんが寝ているベッドに身体を沈めた
枕から香る、しょーくんの匂い
「しょーくん…」
いいよね、今だけは
溢れそうな想いをほんの少しこの部屋に置いて行かせて
「しょーくんが好き」
一度口に出してしまえば心がフッとラクになって
「好き。大好き」
枕をギュッと抱きしめて囁いた
んー… 寝ちゃったのか…
時計は日付を跨ぎ、夜中の1時を指してる
しょーくん、まだ帰ってないんだ…
部屋をぐるりと見渡すと
通学用のカバンの後ろに隠すように置かれた紙袋を見付けた