第6章 ブラコンですが、何か?
健さんと剛さんが、喧嘩だって?
そんなの日常茶飯事だと思ってた
まぁ、俺の知ってる二人は
喧嘩っ早い剛さんだけがいつも怒ってて
健さんは笑って上手くあしらってるイメージだったのに
健さんに目をやると、左の女の太腿を撫でながら
右の女と超至近距離で話してて
今にもキスしそうな勢いだ
「痴話喧嘩っスよ
森田さんがこないだ女連れ込んでたみたいで
文句言ったらスルーされて、三宅さん荒れてんスよ」
「…え?」
痴話喧嘩?
文句?
あの二人って…付き合ってんの?!
黒服が持ってきた烏龍茶をグイッと喉に流し入れると
「ゲホッ…! ゲホッ…!なんだこれ…」
「ウーロンハイっス」
「あれ? 櫻葉もしかして酒飲めない?」
クッソ…
「飲めますけどぉ?!」
ここで飲めないなんて言ったら負けな気がして
無理矢理ウーロンハイを飲み干した
「へぇ、やるじゃん」
「飲みっぷりいいじゃーん♡
健ちゃんにはアタシが飲ませてあげるぅ」
女が酒を口に含んで健さんに口移ししようとするから
「ちょぉぉーーっと待ったぁぁあ!!」
「ギャッ」
女の顔を鷲掴みして
手に持っていた透明の酒を奪い取った
「櫻葉さん!それ、ウオッカ…!」
ゴクゴクゴク
「ぷはーーっ…
ごち…そーさん……」
「「「・・・」」」