第6章 ブラコンですが、何か?
「・・・」
階段を登りきった先の部屋のドアを開けると
そこは異空間だった
不自然に背もたれの高い変な形のソファーが幾つも並んでいて
そこら中で男女が引っ絡まってて
いつおっ始まってもおかしくないような状態で
「おー、櫻葉!こっちこっち」
一番奥のデカくて扇状になってるソファーに
女をはべらせてハーレム状態の健さんが座っていた
「彼が噂の櫻葉くん?
ねぇ、下の名前なんてゆーの?」
健さんにベッタリ引っ付いてた下品な女が
シナを作って俺に歩み寄ってきた
「イケメンだろ? コイツがうちの新入りの櫻葉 翔
こう見えて喧嘩は岡田さんのお墨付きだよ?
なぁ、櫻葉?」
「好みかもぉー♡」
伸びてきた女の手をパシンと振り払う
「そんな怖い顔すんなよ
女苦手?」
見下すようにククッと笑う、いつもと違う健さんの様子にイラッとする
「まぁまぁ! 櫻葉さん、ここ座ってください」
増田に施されて、健さんの対角線上になるソファーの一番端に座った
「三宅さん、今日イラついてるみたいで
なんかすみませんね」
増田が場の雰囲気を壊さない様に
ニコニコしながらもボソッと言う
「なんで?」
「森田さんと喧嘩したっぽいですよ」
「剛さんと?」