第6章 ブラコンですが、何か?
昔はよく、三人で遊んでたんだ
戦隊ごっこや木登りや虫取りなんかもした
しょーくんは虫が触れなくて、風ぽんと競っては虫をカゴに入れて翔くんに見せてあげてた
「金髪似合うね! カッコイイなぁ」
「そうか?」
そんなに嬉しそうにしないでよ、しょーくん
「雅紀?」
「…へっ?」
「さっきから上の空だけど、どうかしたか?」
「ううん、何でもない…
あっ、何か飲み物持ってくるね」
なんだか居た堪れなくて
飲み物を持ってくると言って僕は自分の部屋を後にした
…あんな光景、昔から見てるはずなのに
しょーくんと風ぽんが仲が良いのなんて分かりきってる事なのに…
ドアの向こうから聞こえる二人の笑い声に思わず耳を塞いで
階段を駆け下りた
「もうちょっと静かに階段降りなさいよ」
「…ごめん、」
…何やってんだ、僕は
食器棚からコップを3つ取り出し
氷を入れてコーラを注ぐ
「いただきもののクッキーあるけど持ってく?」
「うん、持ってく」
確かこの辺に…なんて棚を探す母さんの背中に
早くして! と言いそうになって言葉を飲み込んだ
これじゃまるで、しょーくんと風ぽんが部屋に二人きりで居る事に焦ってるみたいじゃんか…