第6章 ブラコンですが、何か?
「ふーん。翔君がヤンキーにねぇ」
何が絶対嫌なのか言うまで帰さないってしつこいから
仕方なく白状した
「雅紀がブラコンだって事は知ってたけど
まさかここまでとは驚きだよ
そんなに嫌なもん? 兄貴に彼女が出来るってさ」
「だって…」
恋人同士になったらするんでしょ?あんな事やこんな事をさ…
「何が嫌なのかは分かった
じゃあ質問変えるけど、なんで嫌なわけ?」
なんで?
なんでって…
なんで、だろう。
「そこ、よく考えてみたら?」
風ぽんはまるで答えを知っているかのように
ニッと笑って僕の肩をポンポンと叩いた
「わかんないよっ!!!」
あれから3日間
僕は寝る間も惜しんで考えた
…いや、それはちょっと大袈裟だけど。
考えたけど答えは出なかったんだ
嫌なものは嫌
結局それしか分からなかった
「はぁー?」
…そんな呆れなくてもいいじゃん、風ぽん!
「まぁ、雅紀は頭で考えるタイプじゃないもんな
よし、考えるな!感じろ!」
どっかで聞いたような熱い言葉を僕にかけて
引きずられるようにして辿り着いたのは…
「ただ今帰りましたぁー!」
オイッ! ここ、僕ん家!