第6章 ブラコンですが、何か?
「ねぇ、風ぽん!」
「うん?どした?」
チョイチョイ、と手招くとトレードマークのイヤホンを引き抜いて、風ぽんが身を乗り出した
「つかぬ事をお聞きしますが、」
「???」
「あの…あのね、
女の子と付き合ったら…何するの?」
「はい?」
「だからぁ!」
「もしかして雅紀、彼女でき…」
「シーーっ!」
思わず風ぽんの口を手で抑えて
引きずるように廊下に連れ出した
「…出来たのか? コレ」
風ぽんが小指をピッと立てる
「僕じゃなくて!」
「じゃあ誰に?」
「出来たとかじゃなくて、もし出来たら
付き合った二人って何するのかな、って…」
手、繋いで帰ったりとかかな?って言ったら
おこちゃまか!ってツッコまれた
「まぁ、チューはするだろうな」
「チュー?!」
「その先も、」
「その先…」
なんだ、その先って
なんとなく想像は出来るけど
それって大人がやる事じゃないの?
「高校生でも…するの? そういう事、」
「付き合ったらするだろうねぇ
で、雅紀は誰の事を言ってるわけ?」
もしもしょーくんに彼女が出来たら
あんな事やこんな事をするんだ…
それが普通なんだ
そんなの、僕…
「絶対やだよ!!」