第6章 ブラコンですが、何か?
「オイ」
1年の下駄箱の近くでたむろする、派手なヤンキー軍団のうちの一人に呼び止められた
「あん?」
「オメェが櫻葉 翔か」
「そうだけど?」
…上履きのラインは青。って事は2年か?
小さいけど喧嘩っ早そうだな
「剛、下級生にはもーちょっと優しく声かけてやんなきゃダメでしょ?」
剛と呼ばれたその人を宥めるように
ニコニコ笑顔を振りまくもう一人の男
「櫻葉くん、ごめんねぇ? コイツ愛想悪くてさぁ」
「あぁ?」
剛と呼ばれる人がこの人に食ってかかろうとする
「俺ね、健って言うの。よろしくね?」
「どうも」
差し出された手を取り敢えず握った
「岡田さん、君のこと待ってるからさ、行こうよ?」
あ…
そうだった
俺の喧嘩の師匠、岡田先輩にやっと会えるんだった!
「先輩はどこに?」
「案内するよ」
「櫻葉。俺より健のがやる事酷ぇから気を付けた方がいいぜ?」
「心外だなぁ」
2年の先輩達に連れられて岡田先輩の元へと急ぐ
その間、ジロジロ見られたりヒソヒソなんか言われたり
健さんは気さくな感じだけど、どうやら笑顔で人を刺しそうなタイプらしい
剛さんは見た目怖そうで喧嘩っ早いみたいだけど意外といい人なのかも?