第6章 ブラコンですが、何か?
雅紀がくれたのは、一番星のキーホルダー。
真ん中に赤いストーンが埋め込まれてる
「僕のも、ほら」
「おおっ、お揃いかぁ♡」
雅紀の方には緑のストーン
「大事にするからな?」
「うん、僕も大事にする」
ニコニコと嬉しそうに微笑む雅紀と
一生懸命選んで小遣いの中から買ってくれたその気持ちに胸がジーンと熱くなった
「しょーくん、あのね」
「うん? なんだ?」
「…ううん、なんでもない!
金髪似合ってるよ? 凄くカッコイイ!
じゃあ僕、部屋戻るね!」
「あっ、ちょ…雅紀!」
何か言いたげにしてたのに
やっぱりいい、と部屋を出ていってしまった雅紀の背中
俺に隠し事…?
思春期だから仕方ないのか?
「でも、金髪似合ってるって、カッコイイっていってくれたからまぁいっか!」
この時俺は
雅紀の中で起こっている変化に気付けずにいた
そして迎えた始業式
春休み中に何度も練習したリーゼントで臨む
学ランの中のTシャツは赤
スクールバッグには雅紀に貰ったキーホルダーが輝いてる
一緒に歩けない、と頑として譲らない母さんとは別に
俺は高校の門をくぐった