第6章 ブラコンですが、何か?
よし、こんなもんだろ。
シャワーを流すと排水口に汚れた水が流れて吸い込まれていく
みんなビックリすんだろーな
「しょーくん、まだー?」
「おぉ、まさきぃ!もう出るぞ!
もうちょい待っててな?」
「うん、わかった!
今日はしょーくんが主役なんだから早くね!」
「任せとけ♡」
風呂場のドアの向こうで
雅紀の可愛い声がする
俺の高校合格祝いに家族で飯を食いに行くんだってさ
それもどうやら雅紀の提案らしい。
なんて兄想いの弟なんだ!
にーちゃん、嬉しくて泣いちゃうぞ?
流れる水がほぼほぼ透明になったのを確認して
俺はシャワーを止め、風呂場を出た
「なかなかイケメてんじゃん」
鏡を見ながらしばし自分に酔いしれたあと
ドライヤーで髪をよく乾かす
あっ、洗い流さないトリートメントしとこ。
「完璧」
バッチリキマった所で
家族の待つリビングへと向かった
「お待たせ!」
「「「・・・」」」
あれ? 反応ナシ?
「しょーくん、どうしたのそれ…」
「どうだ? イケメてんだろ?」
「なにやってんのアンターーーーー!!」
数秒遅れて、母さんの発狂がこだました
まぁそうなっちゃいますよね?
「今日から俺は生まれ変わる!
念願の高校デビューだぜ夜露死苦!!」
染めたばかりの金髪をサラリと撫でて
ヤンキー座りを決め込んだ