第5章 俺様天使!
「なっ…何すんだよ、バーカ…」
果実はさっき一人で食べた時よりもずっとずっと甘酸っぱかった
そしてニノの唇は…
驚くほど柔らかかったんだ
「取り込んできたよーっ♡」
またも思いっきりドアを開けてマサキが部屋に飛び込んでくる
「だからお前さ! ノックくらいしろよ!」
「ごめん、ごめん♪」
てへっ♪って笑うけど、ゼッテー確信犯だろ?
衣に着替えると、あっそうだ、と手のひらを叩いて
マサキが自分のポケットを弄った
「悪魔さんが探してたのって、もしかしてコレ?」
「あっ! ワタシの衛星小型ライブカメラ!
マサキさんが見つけてくれたんですか?」
「いいや? 天使さんの洗濯物の中から出てきたけど?」
「…やべっ」
「おい J 、テメェ…」
「喧嘩は良くないよ、うん!」
…そうだった
あの時、振り被って投げたのは隕石の欠片で
カメラはポケットに閉まったんだ
ちょっと困らせてやろうと思っただけだったのに
完全にタイミング見失って言い出せなかった
「ニノ…? 怒ってるのか…?」
「…別に。
用は済んだのでワタシはもう帰りますね」
「待てよ! 俺も帰るって!」
「そう? 気を付けて帰ってね?
ハイ、これお土産!
また来てねー! サトシとショウによろしく♪」
マサキから果実をお土産に貰い
俺達はスエズの泉を後にした