第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
「待てよ、待てって! 悪気はなかったんだよ」
「悪魔を騙すなんていい度胸してますね」
「なんだよその言い方! 騙したんじゃねぇって言ってるだろ!」
「言い訳は聞きたくありません」
「…悪かったよ…」
ふふっ
少しは堪えてますかね? そろそろ許してあげましょうか
どうもワタシは、J に対しては非道になれないみたいだ
「許してあげてもいいですよ」
「…マジで?」
「その代わり…欲しいものがあります」
「えっ…
カメラは壊れてなかったんだろ? 欲しいものって何か別のモンか?
天使って意外と安月給なんだぜ? だからあんま高いモンは…」
「 J 」
「えっ…?」
「ワタシは J が欲しい」
この時の J の顔を
一生涯忘れる事は無いだろう
「俺…?」
「嫌ですか?」
「嫌じゃねぇし…」
「優しく…しますから、」
「あぁ…優しくしねぇとぶっ殺すからな…」
「相変わらず口が悪いですね
そんな悪い口は塞いでしまいましょうか」
マサキさんがくれたあの果実は禁断の果実だったんじゃないかと思う
そうじゃなきゃ、天使と悪魔の融合なんて有り得るわけがないんだ
精霊界の入り口の花畑に埋もれて
ワタシと J の黒と白が溶けるように交わった
…禁断の果実のせいにして。