第5章 俺様天使!
❦ J Side❦
悪魔のクセに、透けるような白い肌
俺様の瞳を見て『綺麗』なんて言っちゃってさ
誘ってるとしか思えないだろ?
「ニノ…」
上から覆い被さるようにニノにキスしようとしたら
…え?
ニノの瞳が赤くキラーンって光った
「 J 、ワタシは悪魔ですよ?」
「それは知ってるけど…」
「多分 J よりドSです」
「だっ、だったら何だよ…」
「ワタシが…」
「ワタシが、何…?」
そう言い終えるか言い終えないかのところで
クルンと身体が反転し
気付けば俺はニノに組み伏せられていて
「はっ?! ふざけんなよ!」
「ふざけてなんかいませんよ?
J、あなたホントは…」
ニヤリと笑って牙を見せ
悪い顔をしたニノが俺様の耳元で囁いた
「Mなんだろ?」
ゾクリとした感覚が全身に駆け抜けた
「な、何言って…」
「隠したって無駄だぞ?
俺には分かってんだよ…」
あっ…そんな、耳元で囁かないで…
俺は顔を背ける
「オラ、こっち向けよ、J …」
「あっ…ニノっ…」
なんか、口調まで変わってる
やっぱコイツ、悪魔だ…
魔性だ…!
クイッと顎を持たれて思わず目を瞑ると
「 J …」
ニノの顔がゆっくりと近付いてくる気配がした