第5章 俺様天使!
「立てるか?」
「はい、」
差し出されたその手をぎゅっと握って立ち上がる
「衣、乾かさないとな」
「そうですね
あっ、あそこに小屋がある」
「行ってみるか」
畔の向かい側に建つ、一件の小屋
入り口には『お山小屋』と書かれた看板が表札代わりに立て掛けられている
お山…?
鍵の掛かっていないその小屋の中に入ると
小さなベッドがひとつとテーブルに椅子
それから…
「なんだこの絵」
「雄同士ですね」
テーブルの上には、寄り添う二人の雄が幸せそうに微笑んでいる描きかけのスケッチブックが一冊
「こっちの人どっかで見たことあるような…」
「ワタシはこっちの人を知ってる気が…」
「「あ!」」
二人の声が揃った
「リーダーだ!」
「ショウさんだ!」
「リーダーというのは?」
「大天使サトシの事だ」
「大天使?!
大天使って天使の中で一番偉い人じゃないですか
そんな人がなんでウチのショウさんと…」
「つーか、ショウって誰だよ?」
「大魔王ですよ
ウチのトップです」
「マジか…」
大天使と大魔王がこんなとこで逢瀬してたなんてショッキングだ
しかもこのベット…いかがわしすぎる
なんだか色々妄想してしまって
身体がブルッと震えた