第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
なんかワタシ、今、とんでもないこと言われませんでした?
「聞こえなかったのか?
俺がお前を幸せにしてやるって言ってんの!」
「ちょっと!
悪魔のなんたるかを分かって言ってます?
ワタシ達は情け無用で人を破滅に追い込むのが仕事ですよ?
幸せなんてちゃんちゃらおかしいよ」
「俺様の辞書に不可能という文字は無い!
幸せにしてやるっつったらどんな手使ってでもするんだよ!」
なんか、J って悪魔の素質のがある気がする…
「わかりました」
ワタシは J と同じ目線の高さまで浮上し、黒い翼を広げて言った
瞳を意識的に赤に変えて
「ワタシは悪魔です
やれるもんならやってご覧なさいよ?」
「おう!上等じゃねぇか、やってやるよ!」
J の出す青の火花とワタシの赤の火花がバチバチと音を立てる
暫し睨み合っていると
『火気厳禁!! 放水開始ー!』
空からエコーのかかったマサキの声が聞こえたと思ったら
泉の水が勝手に噴き出し、ワタシたちに向かって放水を始めた
「うわぁっ!」
「おい、マサキ! てめぇぶっ殺すぞ!!」
上から下まで水浸しで
羽根の重さに耐えきれず、俺はドスンと地面に落ちてしまった
「ニノ! 大丈夫か?!」
「大丈夫…」
「ごめん、ムキになって悪かったよ」
「ワタシの方こそ、すみませんでした」
J に抱き起こされて
なんだこれ…心臓がドキドキと煩い