第5章 俺様天使!
「お前、名前は?」
「ニノと申します」
「俺は J
なぁ、悪魔の仕事って楽しいか?」
「楽しい訳ないじゃないですか
そういう J はどうなんです?」
「仕事は嫌いじゃないけどなぁ
色々制約があって息が詰まるんだよ」
上から目線をやめろ、とかさ
「へぇ…おんなじですね
ウチはトップが細かい人なんで稼働率についてあーだこーだ言われるのがちょっと…
仕事の内容自体がえげつないのはどうしようもないですから諦めてますけどね」
「ふぅん…お互い大変だな」
「…ですね」
なんで俺、悪魔と意気投合してんだ
つーかコイツ、見れば見るほど…
「ニノって良く見ると可愛い顔してんな」
「はっ?! なっ、何言ってるんですかっ…!」
「この輪郭とかさ、横顔とかたまんねーわ」
「かっ…からかわないで下さいよ!
ワタシなんかより J の方がよっぽど…」
「よっぽど、何?」
「カッコいいよ…」
ニノが頬を染めて言うから、ちょっと萌えた
「よーし、わかった!」
「なっ、何がです?!」
泉の畔にある小さな岩の上に飛び乗るとニノを指差してこう言い放った
「俺様は天使だ
今日から俺がお前を幸せにしてやるよ!」