第5章 俺様天使!
「とっ、ところで君達は何しにここへ来たの?」
挙動不審になりながら
マサキが俺達に質問する
「俺様は自由な世界を見てみたくて探索にやってきた」
「ワタシはカメラを弁償してもらおうと思ってこの人を追いかけてきました」
「ふうん?
まぁ、なんでもいいけど喧嘩だけはしないでね?
僕はこれから仕事があるからもう行くけど、仲良くしてよ?」
マサキはヘタクソなウインクをして飛び立って行った
精霊の仕事ってなんだろうか?
泉の畔を歩いていると
ちっこい悪魔が無言で俺の後を付いてくる
「まだ何か用かよ?」
「カメラ、返してください…」
「そんなもん遠くに投げちまったからどこ行ったかなんて知らねーよ」
ハハン、と嘲笑うと
悪魔の目尻にじわっと涙が浮かんだ
これじゃまるで俺様がイジメてるみたいだろ!
「あれ、高かったのに…」
「…」
「あれがないと、すっごく困るのに…」
「…」
「どうしたらいいんだ…」
「わかったよ! 探すよ! 探せばいいんだろ?!」
「…探してくれるんですか?」
「あぁ。お前も一緒に探せよ?」
俺の言葉に
悪魔はコクンと頷いて
顔を上げてニッコリと微笑んだ
なんか…可愛いじゃねぇか