第5章 俺様天使!
❦ J Side❦
「おう…そうかい」
カッコイイ、なんて言われちゃさ
怒るに怒れねぇじゃねーか
チラリとそいつを見ると
下を向いて
…ん? 笑ってる?
「おいお前、今、笑ってたろ?」
「笑ってませんて!」
「いいや! 笑ってた!」
「笑ってない!」
「ぜってー笑ってた!!」
カチンときて胸ぐらを掴もうとすると
「喧嘩は止めてぇー!!」
どこからかくぐもった声が聞こえた
「ここはスエズの泉だよ!
精霊界の中でも神聖な場所なんだよ!
だから喧嘩なんかしちゃダメ!」
茶色い髪にグリーンの瞳
スラッとした手足
クソ…イケメンだな…
「あんた誰だよ?」
「僕? 僕は精霊界の主のマサキだよ!」
「マサキさん助けて! この人がワタシを虐めるんです!」
「あぁ?! 今なんつった?!」
「もう! やめなって!
君は…悪魔だね?」
「そうですけど…」
「オメェ、悪魔だったのか!」
「どう見たって悪魔でしょうよ!」
「君は…天使?」
「あぁ。俺様は天使だ」
「天使のくせに随分上から目線だな…」
「なんか言ったか?」
「なんも言ってません!」
「ふふっ」
「「何がおかしいんだよ?!」」
俺と悪魔は一斉にマサキを睨んだ