第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
超高速でイケメンを追っかける
そのスピードたるや、自己最高記録なんじゃないかって程で
こんな姿をショウさんが見たら
『ニノはやれば出来る子だと俺は信じてたよ!』
とか言われそう…
魔界の終わりを抜けると天界の入り口に達した
白いドアを開け108つの階段を登る
すべてが白いこの空間の中
黒いワタシはきっと目立っている事でしょう
天使の館を通り過ぎ、天界の終わりへと急ぐ
あのイケメンを見かけたのはこの辺りかな?
クソッ、俺のカメラ…(泣)
グングン進んで行くと
ナチュラルカラーの木製のドアが見えた
どうやらここから精霊界のようだ
ドアを開けて一面の花畑を更に進むと
森の中に入っていく白い塊を見付けた
「居た! イケメン発見!」
急いで追いかけてその背後に歩み寄ると
イケメンの白い翼をグンと引っ張った
「痛ぇ! 何しやがんだ!!」
うわっ、怖っ!
「誰だ、てめぇ!」
「ワタシの衛星小型カメラ、返せっっ!」
ビビりながらも語尾を強めに主張してみる
「あ"?」
「か、返していただけますでしょうか…」
モニターで見た時から思ってはいたけど
実際に見ると三割増でイケメンだ
目が大きくて端正な顔立ち…なのに、口は悪いし怖い
「オメェか、俺のストーカーは!」
「ストーカーだなんてとんでもない!!」
いや、追っかけてきたんだからストーカーなのか?
これ以上怒らせたらワタシ自身が振りかぶって投げられそうなので、ここはおだててみますかね
「アナタの事が気になって、つい…
だって、カッコいいから」
わざと、照れているフリをした