第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
「このヒト、翔ぶの早いなー。
ま、ワタシのテクニックがあればターゲットを見失う事なんて早々無いでしょうけどね」
衛星小型カメラのコントローラーを巧みに操作し
凄いスピードで上昇する白い羽のイケメンを追いかけると
「あれっ?!」
液晶モニターから突然イケメンの姿が消えたと思ったら
画面がガタガタ揺れだした
『おい、俺様に何の用だ! 見えてんだろ、オラ!』
マズイ!
気付かれた上に捕まった!
『ほーら、早くゴメンナサイしないと悲惨なことになるよー?
このカメラ壊しちゃおっかなー
コソコソしてねーで正々堂々と顔を見せやがれ!
それとも何か?
人前に顔を晒せないくらい不細工なのか?
ふははは! ダッセーの!』
モニターにはドアップでそのヒトの顔が映し出されてる
うわ、マジでイケメン
少々濃ゆい気もするけど…
急に画面が暗くなり
音声だけが聞こえて
『 J 様、第一球振りかぶってー 投げましたぁー!』
「ええっ?!」
…投げられちゃいましたよ、ワタシの衛星小型カメラが
いくらすると思ってるんですか!
イケメンだからって何しても許されると思ったら大間違いですよ?!
「あったまきた!」
自慢のゴールドアイが怒りで赤く変化する
コントローラーを投げ捨てて、普段あまり使うことのない真っ黒な翼を広げて
ワタシはターゲットの元に向かった