第5章 俺様天使!
❦ J Side❦
「気持ちいいなぁ…」
こんなに天高く登ったのは初めてかも知れない
天界の先には一体どんな自由が待っているのか
思う存分翼を広げて、俺はもっともっと空高く舞い上がる
…と、
さっきから気になってんだけどさ
俺の後をなんかちっこい物体が追っかけて来てんだよね
これってまさか、ストーカー?
あー、俺、ありがたい事にファン多いから…
でも、申し訳ないけど
プライベートを監視される趣味は俺には無いんだよね
真っ直ぐ上に翔び続けると見せかけてその場で大きく一回転し、黒い物体の背後にまわり
そいつを捕まえた
…ん? カメラ?
「おい、俺様に何の用だ! 見えてんだろ、オラ!」
ガシガシとカメラを揺さぶる
「ほーら、早くゴメンナサイしないと悲惨なことになるよー?
このカメラ壊しちゃおっかなー
コソコソしてねーで正々堂々と顔を見せやがれ!
それとも何か?
人前に顔を晒せないくらい不細工なのか?
ふははは! ダッセーの!」
思いっきり皮肉ってから、俺はカメラをボールのように掴んだ
「 J 様、第一球振りかぶってー 投げましたぁー!」
カメラは遠く空の彼方まで飛んで行く
「ざまぁみろ!
俺様をストーカーしようなんざ百万年早ぇんだよ!」
おっと、お遊びしてる場合じゃねぇ
さっさと天界を抜けて
精霊界に辿り着かなくちゃな!
よし、あと少しだ!