第4章 溺れる夜は…Monday
「俺は智の何を見てきたんだろうな…
一番近くに居たのに…智の心の闇にまで気付いてやれなかった…」
「俺が…!
俺が隠し通してきたから…!
もっと早く、ちゃんと言えばよかったんだ!
雅紀は悪くない…!
悪いのは全部俺だから…!
雅紀のことが好きで、失くしたくないのに
想いとうらはらな事してた俺が悪いんだからっ…!」
「そう思ってくれてるなら…
これからは全部見せてくれるよね…?
もう…他の誰かに頼ったりしないよね…?」
優しく俺の前髪を梳くその手を
きつく握りしめた
「約束する…
もう二度とこんなことしない…
ごめんなさい、雅紀…
ほんとにごめっ…!」
「もう、泣くなよ…
おいで…?」
雅紀が両手を広げる
涙でグシャグシャになりながら
俺はその大きくて優しい胸の中に飛び込んだ
「もう一度イチからやり直そうか、俺達」
胸に抱かれたまま
コクリと頷いた
「壊れるほど…愛してあげる」
そっか
そうだったんだ
俺が求めていたもの
ずっと欲しかったもの
俺は間違ってた
壊して欲しかったわけじゃなかったんだ
俺は…
「愛して、雅紀…
壊れるほど…俺を愛して…」