第4章 溺れる夜は…Monday
「俺が智を壊せばいいの…?」
「え…?」
「そうすれば智は
俺だけの智で居てくれんのかって聞いてる…」
「雅紀…」
「俺は智に酷いことは出来ないけど…
智が壊して欲しいもの、ってココだろ…?」
そう言って雅紀は
俺の胸に手を当てた
「この解釈で合ってるかは分かんないけど…
もしそうなら、智は方法を間違えてたよ」
「それってどういう…」
「壊すんじゃなくて
壊れるほど愛で満たせばいい」
「何言って…」
身体がスッと離れていって
雅紀が俺を見つめた
真っ直ぐな瞳
「智は智の母親とは違う」
「えっ…」
「ホントは今日
あの人になんの話をするつもりだったの…?」
あ…
「どうして制服のままあの人に会ったの…?
ホテルになんて行くつもりなかったんでしょ…?
あの人じゃなくて俺を選んでくれたからじゃないの…?」
俺は…
「もう…会うのやめるって…
電話でそう言おうとして…
でも言えなくて…
会って話そうって言われて、それで…」
自分の愚かさに
涙が溢れて止まらない
「どうして会うのをやめようと思ったのか
自分の気持ちがわかる…?」
雅紀の問いに
何度も何度も頷いた
「凄く勝手だけど…
雅紀を…失いたくなかったから…
このままじゃダメだって…思ったから…」