第4章 溺れる夜は…Monday
辿り着いたのは
雅紀の家じゃなくて俺の家だった
「うち、親いるから
智ん家でいいよね」
「うん…」
シンと静まり返った部屋
いつもはピッタリと寄り添って座るけど
今日はとてもじゃないけどそんな風には出来なくて離れて座った
30センチの距離が
永遠の距離に感じる
雅紀は今、何を考えてるんだろう
別れようって…言われるのかな…
「智、」
名前を呼ばれて心臓が止まりそうになる
それに続く言葉を聞くのが怖かった
「あの人が言ってた事…
セフレ、って、本当…?」
「…っ、」
「答えろよ」
「…本当だよ…」
認めた
認めてしまった
雅紀との別れは決定的だ
「あの人に対して、気持ちは無いってこと…?」
「無いよ! ある訳ない…!
俺が好きなのは雅紀だけだよ!
お願い…信じて…!」
こんな事、俺が言える筋合いじゃないのに
「じゃあ…同意の上でお互いのパートナーに足りないモノを満たし合ってるだけってのもホントなんだ…」
「それは…」
「…何が足りなかったの、」
「…え?」
「俺には何が足りなかったんだよ?
その足りない部分をあの人が埋めてくれてたんだろ?
言えよ…
言ってくれよ、智…」
「違っ…違うんだよ
聞いて、雅紀…」
もう
本当の事を言うしか道はなかった
これ以上、自分を偽れない