第4章 溺れる夜は…Monday
速度を落としてロータリーの中へ入り、他のバイクが数台停まっていた場所に横付けする
エンジンを切るまでもなく、白いポルシェが俺の横を通り過ぎて
そして智の居る場所の前で停まった
「男…?」
車を運転していたのは確かに男だった
多分、20代半ば位の…
助手席のドアを開けて少し言葉を交わしたあと
智は車に乗り込んだ
ロータリーから駅前の道に出る信号で停まり、左にウインカーを出してる
これも前回と同じ
目的地も同じかどうかまではわからないけど…
とにかく尾行しなければ始まらない
信号が青になり
慌てて白いポルシェの後を追った
「ヤバっ…!」
尾行を始めて10分ほどだろうか
俺の運転するバイクが信号に引っ掛かかってしまった
智を乗せた車がどんどんと先に行ってしまう
見失うか
そう思った時
一つの建物の手前でウインカーを出し、その中へ入って行った
嘘だ…
嘘でしょ…?
なんで…?
信号が変わり、急いで追いかける
まさかとは思ったけどやっぱりそうだった
信じたくなかったけど信じるしかなかったんだ
ここが…ラブホテルだって事を