第4章 溺れる夜は…Monday
❦智Side❦
6限の授業が始まってすぐに
ポケットのスマホが震えて
見ると、それは雅紀からで
内容は5限で早退して帰るというものだった
朝からダルいって言ってたし
マスクもしてたし
もしかして熱が上がっちゃったのかな
雅紀、大丈夫かな…
翔さんとの約束、今日はキャンセルしよう
飲み物とかゼリーとか買って
お見舞いに行こう
ああ見えて雅紀は身体が強くないから心配だ
肺炎にでもなったら、それこそ…
俺は帰りのHRが終わるなり
すぐに雅紀に電話を掛けた
「繋がんないな…」
もしかして病院に行ってるのかもしれないと
電話を切って、ラインを入れることにした
”体調、どう?
これからお見舞い行っていい?“
すぐに既読になった
“ごめん、これから病院だから
薬飲んで寝てれば良くなるから、お見舞いは大丈夫だよ”
そっか…逆に迷惑になっちゃうよね…
“わかった
何かあったらすぐ連絡してよ?”
“ありがとう”
…今日はやっぱり翔さんに会うのはやめよう
そんな気分じゃない
そう思った時
またスマホの受信音が鳴った
“いつもの場所で
また、いつもの時間に 翔”
画面の文字をジッと見つめる
雅紀が大変な時に
俺は何をやってるんだ…