第4章 溺れる夜は…Monday
それから俺達は
貪るように愛し合って
何度も確かめ合って
そして智を腕に抱いたまま
溶けるように眠った
「バイク? それは別に構わないけど…」
「悪い、ニノ
あぁ、それでさ…返すの、火曜日になっちゃうんだけど、イイ?」
「まぁいいですけど?」
「急にどうした?
ニノにもバイク借りたんだろ? なんかあんの?」
「うん、ちょっとね…
とにかくありがとう、潤!」
日曜日
ニノにビッグスクーターを借りて
潤には洋服を借りた
準備万端だ
これで明日、5限で早退すれば…
シュミレーションは完璧だった
あとはそれを実行に移すだけだ
そしてとうとう、月曜日がやってきた
決戦の月曜日
今日で俺のモヤモヤの全てが明らかになるはず
俺はマスクをして登校した
なるべく、おとなしく
具合が悪い風を装って
「雅紀、風邪?」
「あー…うん、朝からちょっとダルくてさ…」
「大丈夫…?」
「うん、なんとかね、」
ごめんね、智
自分がされて嫌なことを
今、俺は智にしてる…
5限が終わると予定通り早退し
“やっぱり無理そうだから早退するよ”
6限が始まってから智にそれだけラインを入れて
俺は駅に向かい、
潤から借りた服に着替えて
ニノから借りたバイクを駅近くのコンビニに移動した